寄稿と作品からなるEメール機関誌「新・方法」第65号をお届けします。今号の寄稿者は、画家であり、栃木県の益子にあるひとり美術館の館長の郡司侑祐さんです。
とある民芸品店裏の細い階段を上った先に、少し変わった場所があります。
広さの異なる四つの部屋からなる、誰かの住まいのような美術館。
春と秋の、明るい時間帯にだけ開いているようです。
ここは、たくさんの絵があちこちに好きな場所を見つけて、住み着いているような場所です。
もしも、ここを訪れたあなたが望むなら、
お気に入りを見つけて自分の家に住まわせる事もできます。
動きも鳴きもしないけれど、生き物のような気がしてくる。
意思を持っているような気がしてくる。
だけど、何か語りかけてくるわけでもなく
夜中にそっと動き出すという事もありません。(たぶん)
少しの空間を埋めてくれる、ただそれだけかも知れませんし、
それ以上の何かしらの感情の広がりや、うねりを生み出してくれるものかも知れません。
絵は、あなたの家のどこにでも住んでくれます。
引き出しの中でも、薄暗い廊下でも、本のページの隙間でも。
昼も夜も、暑さ寒さも関係なく、そこに居てくれます。
例えば、まだ着るかも知れないからと、箪笥の奥にしまわれた服があるとします。
見えない場所にあると、いつの間にかどこにしまったか分からなくなったり
持っているという事すらも忘れてしまったりします。
出会った時の事や、思い切って自分のものにした時の事も、思い出せなくなるのです。
絵も同じです。
よーく見える場所に出しておきましたので
どうぞゆっくりとご覧ください。
ひとり美術館
確率を疑う 第二番
http://7x7whitebell.net/new-method/shogobaba/065_j.html
0から9までの数字のルーレットを1000個回し、9が出る個数をカウントする。ルーレットに9が出る確率は10%で、100個出る可能性が最も高い。
災害への備え 2
http://masarukaido.com/newmethod/b065_j.html
前作の「災害への備え」では、防災非常袋に詰める物品リストを書き自宅のトイレに貼った。今作ではそのリストを剥がして、とある駅で他人に手渡し災害への備えを啓発した。
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人工知能学会の学会誌「人工知能 Vol.33 No.6(2018年11月号)」の企画・構成に、AI美芸研の中ザワヒデキと草刈ミカが参画しています。新・方法も掲載されています。一部の書店のほか、Amazonでもお買い求めいただけます。是非ご購読下さい。https://www.ai-gakkai.or.jp/vol33_no6/(新・方法)
平間貴大 @qwertyu1357
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機関誌「新・方法」第65号 日本語版
2018年12月4日発行