寄稿と作品からなるEメール機関誌「新・方法」第21号をお届けします。寄稿者は、先日新・方法メンバーの平間貴大が2008年から運営するネット・レーベル「Moumaku Record」からmp3作品をリリースした小田寛一郎さんです。
ごめんなさい。新・方法の活動については、メールで配信される機関誌やツイッターなどで窺い知ることのできる範囲でしか知らないので、なんとも言えないかもしれません。ひとまずいまウェブサイトの記録を見ています。
見ていてちょっと思ったのは、個々の新・方法主義者たちの作品と、新・方法というグループとしての作品・プレゼンテーション・イベントが、どちらも「方法」に関わっていながらもかなり違っているなあ、ということです。ざざっと見たところ個々の新・方法主義者たちの作品は、なにかしらの方法(手続き?)に基づく、あるいは関するもので、中ザワさん曰く"方法のための方法"、ちょっと言い換えてみると、"方法それ自体によって根拠づけられている方法"(としての作品)を感じさせます。一方、グループとしての作品は、世にあるたくさんの、なんらかの目的に対応する手段(方法)のなかから"最も典型的な"方法を選び、それを遂行する、という感じです。「海水浴」っていうのは「夏を満喫する」方法の"典型的な"ものですし、「初詣」・「為替介入」・「苦行」なども、同様ですね(豊嶋康子展の告知が作品なのは謎ですが)。
個々の新・方法主義者たちの作品がなにかしら論理的に完結しているのに対して、新・方法としての作品はちょっと違うようです。「○○といえば、●●」という、私たちの共通理解をとっかかりにした"方法のための方法"(という作品)なので、そりゃまあそうだけど、という微妙な納得によって作品として完結している、かのように思わされる感じがあります。この「感じ」をもうすこし突っ込んでいきたいところですが、指定の字数をだいぶ過ぎていますので、またいつか。(と書いたところで、「新・方法」第7号にて北條知子さんが同様のことを指摘されていることを発見しました。どうぞご参照ください)
量と境界 第五番
http://7x7whitebell.net/new-method/shogobaba/021_j.html
概念としての量と境界は、視覚化される必然はない。これまで視覚的に明示されていた量と境界は、本作では視覚では認識することができないだろう。今作は『昇順へのソート 第五番「ノームソート」』の、量と境界を示している。
特に意味をなさないアルファベットの羅列
http://masarukaido.com/newmethod/b021_j.html
パソコンの数字キーの下にはアルファベットキーがある。今作では前作のようにそれを無作為に打ちアルファベットを羅列した。ただし羅列されたアルファベットの数は前作の数字に比べ著しく少ない。
- 「新・方法」はウェブサイトを更新しました。 http://7x7whitebell.net/new-method/
- 平間貴大はウェブサイトを更新しました。 http://hrmtkhr.web.fc2.com/
- 馬場省吾はウェブサイトを更新しました。 http://7x7whitebell.net/
- 皆藤将はウェブサイトを更新しました。 http://masarukaido.com/
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機関誌のウェブ作品を過去作から続けて見ると、作家の発想と展開がそれぞれ見えてきます。バックナンバーは新・方法のウェブサイトで見ることができます。では、次号もお楽しみに。 (M)
平間貴大 @qwertyu1357
馬場省吾 @shogobaba
皆藤将 @kaido1900
機関誌「新・方法」第21号 日本語版
2012年7月4日発行