寄稿と作品からなるEメール機関誌「新・方法」第28号をお届けします。今号は九州ファシスト党「我々団」に所属し、芸術誌系弾圧機構『メインストリーム』の編集も担当する東野大地さんにご寄稿をお願いしました。
かつて旧・方法機関誌に掲載された「方法主義Q&A」で元・方法主義者の中ザワヒデキ氏は「われわれはただ、モダニズムが帰結した同語反復を見つめ続けようとしている」という立場から、「方法主義は二十世紀初頭の前衛の焼き直しにすぎないのではありませんか?」との質問に対し「そうです」と答えた。中ザワ氏は「当時の前衛を古典と呼べるなら、方法主義は新古典主義」だという。つまり、彼らはロココ趣味=ポストモダンの自堕落に抗するために、新古典主義=当時の前衛=「1910年代」(*註)の反復を試みているわけだ(私はこの点に関して、方法主義の旧・新に切断は無いものと認識している)。
しかし、新・方法主義者の「芸術のための芸術」原理主義を「10年代」とするなら、次にやってくるのは「20年代」である。アヴァンギャルド、即ち、芸術のための芸術への(自己)批判、生と芸術の二極分解の克服。
そして「30年代」がやってくる。左右の政治的ラディカルと「20年代」の美学的ラディカルの連合体が「10年代」を跡形も無く粉砕するだろう。
「10年代」派である新・方法主義者の諸君は今から「20年代」「30年代」に備えておいた方がいいかもしれない。
*言うまでもなく、10-30年代というのは歴史事実上の時代区分とは必ずしも対応しない象徴的な数字である。例えば、未来派は1909年に創始されたが、ここでは20年代パラダイムに含まれる。
「前衛(アヴァンギャルド)」概念について。私は10年代的な前衛(=芸術のための芸術)と20年代的なそれ(=前者への内在的批判)を峻別して用いている。
入力と出力 第四番
http://7x7whitebell.net/new-method/shogobaba/028_j.html
入力から得られる出力は必ず一定である。入力は恣意的だが、出力は決定的である。この作品では、この文章自体の入力と出力を示す。
60段3列に並べられた180枚の写真
http://masarukaido.com/newmethod/b028_j.html
今作でも写真を3列複数段に並べた。並べられた写真は全て2013年3月2日午前6時56分の一分間に撮られたものである。単純計算で1秒間に3枚の写真が撮られたことになるが、そんな計算はしなくて構わない。
- 「新・方法オークション」 http://7x7whitebell.net/new-method/auction_j.html
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2月11日から18日までYahoo!オークションにて新・方法オークションが行われました。入札件数77の落札価格5,849円の競売となりました。では、次号もお楽しみに。(M)
平間貴大 @qwertyu1357
馬場省吾 @shogobaba
皆藤将 @kaido1900
機関誌「新・方法」第28号 日本語版
2013年3月4日発行