寄稿と作品からなるEメール機関誌「新・方法」第38号をお届けします。今号の寄稿者は、先月、新宿眼科画廊で開催された個展「感情練習曲」を終えたばかりの画家の高村健志さんです。
新・方法に私は遅れてやってきた。その間に私は美術家から画家になっていた。私は彼らに賛意を表し、一幅の絵画を供したい。
いまから、いくつかの質問に答えていただきましょう。
いいですか?
はじめに、あなたは、これまでに絵を見たことがありますか?
その絵はどこにありましたか?
その絵を見た季節はいつごろですか?
何時ぐらいでしたか?
どんな色でしたか?
どのくらいの大きさでしたか?
それにはなにが描かれていましたか?
描かれたものの実物をあなたはこれまでに見たことがありましたか?
それをいつ見ましたか?
それはあなたが何歳のときですか?
そのときのあなたと今のあなたでいちばん違っていることはなんですか?
あなたのお気に入りの場所はどこですか?
あなたの後ろにじつは絵があります。
あなたはそのことに気づいていましたか?
その絵はなにが描かれていますか?
その絵にはなにが描かれていたらいいですか?
あなたはこの絵を気に入ると思いますか?
その絵をもっとよくする為にはどうすればいいと思いますか?
この絵はどうあるべきだと思いますか?
きのう、あなたの身の回りであった驚いたことを3つ挙げてください。
あなたはこうした質問に対してあなたが答えていることに違和感がありますか?
きのう、あなたの身の回りであったうれしかったことを2つ挙げてください。
あなたは、あなたの後ろにある絵を見たいと思いますか?
それはなぜですか?
これからの葬式はもっとどうあるべきだと思いますか?
3つのリンクのあるウェブサイト 第十二-十五番
http://7x7whitebell.net/new-method/shogobaba/038_j.html
同誌37号で、私がウェブサイトで作品を発表する理由の一つに「脱・物質性」があると述べた。しかしウェブサイトもどこかのサーバの記憶領域を占有し、またネットワーク網を通じて物質化される。ウェブサイトにおける「脱・物質性」は錯覚を利用した擬似的なものである。それはサイトが肥大化すればするほど露呈するだろう。「3つのリンクのあるウェブサイト」第十二番は54ページ、第十三番は60ページ、第十四番は70ページ、第十五番は90ページのウェブサイトである。
どこにあるかわからない作品
http://masarukaido.com/newmethod/b038_j.html
本誌で発表する私のウェブ作品は通常上記のURLに公開されるが、今回は本来公開されるべきその上記URL以外のどこかに作品をアップした。したがって、上記URLを開いても「Not Found」と表示されるだけである。どこかにアップされた作品は、もしかしたらウェブ検索すれば見つかるかもしれないし、その内、削除されたり、消えたりするかもしれない。
- 「競馬観戦」 http://7x7whitebell.net/new-method/horse_j.html
- 「新・方法」はウェブサイトを更新しました。 http://7x7whitebell.net/new-method/
- 平間貴大はウェブサイトを更新しました。 http://qwertyupoiu.archive661.com/
- 馬場省吾はウェブサイトを更新しました。 http://7x7whitebell.net/
- 皆藤将はウェブサイトを更新しました。 http://masarukaido.com/
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高村健志さんの個展に寄稿文タイトルと同じ《中空絵画》という作品が出品されていました。陶の器に灰が盛られているというものでした。この個展のあと他の作品を含め展示された「作品は灰となる」のだそうです。ということは、あの《中空絵画》はある絵を火葬した燃え殻だったのでしょうか。それならば、その絵にはなにが描かれていたのでしょう?あるいは、その絵はどうあるべきなのでしょうか?(M)
平間貴大 @qwertyu1357
馬場省吾 @shogobaba
皆藤将 @kaido1900
機関誌「新・方法」第38号 日本語版
2014年6月4日発行