寄稿と作品からなるEメール機関誌「新・方法」第61号をお届けします。今号の寄稿者は、インディペンデント・キュレーターの長谷川新さんです。
カントはケーニヒスベルク大学に着任後、1756年(32歳)から1798年(74歳)まで40年以上にわたって「自然地理学」の講義をおこなっている。高名な三批判書を主著とする哲学者がその一方で常に自然地理学を重視していたという事実は、彼個人の性向に回収されるものではなく、むしろ18世紀の西欧の潮流のなかでとらえた方が良い。地理学と並行してカントが講義を積み重ねてきた「人間学」が、「生命をもち、言葉を話し、労働を行うもの」としての「人間」概念を仮構する作用をもっていると喝破したのは他ならぬフーコーである。ここで急いで付け足さねばならないが、他方でフーコーはカントを「啓蒙」の視点からは評価を惜しんでいない。ここには二重性がある。
啓蒙専制君主が「王は国家の第一の僕」と言った背景には、体制変革が不可避となる中で自身の権力を「実践によって」正当化していく巧妙な戦術が見てとれる。それはあたかも自身が「アーティストの最良の理解者」で「模範的な鑑賞者」であるかのように振舞うキュレーターの「透明な啓蒙」とも響き合う。啓蒙をめぐるサイエンスの在りようと相互作用を問い直すこと。幾度となくされてきたーANTもまたこの流れのひとつと無関係ではないーこの方法論を、キュラトリアルの実践において展開すること。「人間」と「物質」の「と」に加わっている諸力の測定。少なくともその地平においては「メディアアート」なるジャンルは存在しない。
矢印記号 第四番
http://7x7whitebell.net/new-method/shogobaba/061_j.html
矢印記号は多くの国で使われている、方向を示す共通記号である。方向を示す記号は、デジタル内に空間性を生み出す。本シリーズでは矢印記号を規則に従って並べ、視覚的に空間性を作り出す。
嘘
http://masarukaido.com/newmethod/b061_j.html
2018年3月31日までに存在したWEBサイトの平均寿命秒数と同日までに閲覧されたWEB1ページあたりの平均閲覧秒数を記載した。
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『美術手帖』の2018年4・5月号のアートコレクティブ特集に「新・方法」が小さく掲載されています。(新・方法)
平間貴大 @qwertyu1357
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機関誌「新・方法」第61号 日本語版
2018年4月4日発行