寄稿と作品からなるEメール機関誌「新・方法」第64号をお届けします。今号の寄稿者は、美術展「春のカド」の企画者であり、9月にオープンしたgallery TOWEDの主宰メンバーである画家・画商の内田百合香さんです。
歯みがき粉がぶどう味だから、彼女は歯みがきが終わるといつも舌で口の周りをペロペロしていた。
その時間帯だけが おしゃべりな彼女が唯一静かになる時なので、私達はその時にだけ 彼女を気にせずおしゃべりする事ができた。
「同じぶどう味だから、きっとバブリシャスなんかあげたら ある程度噛んだあと食べちゃうよ、きっと。」
偉い人達はそうやって 19時30分になるまでの時間、悪口を言うのに費やした。あと彼女に対する悪口と言えば「目はうっすら見えるらしい、いつも寝たふりをしているけれど、なにか言うとジッとこっちを見るから 言葉も分かるんじゃないか。」って事や 彼女の足癖の悪さや、とにかくおしゃべりな事。
その言葉が独特で、私達には分からない事などだった。
それでも「私達には分からない」と言う事が、私達にとって彼女と一緒に居れる理由のひとつになっていた。
彼女の部屋のにおいは 私の好きな人のにおいと同じで、私は用もないのによく彼女の部屋を訪ねた。部屋は季節ごとに飾りを変えていて、彼女の部屋は他の誰の部屋よりもお洒落だった。
部屋に入ったはいいが、何を話せばいいか分からなかった私は 取りあえず天気や家族の話をしたりした。たまに「歯並びが綺麗だね。」なんて話しかけると、少し笑ったりして、彼女はまたすぐ寝たふりをした。
ここは巨大な迷路みたいにだだっぴろいので、時計がある一定の距離をとって壁に掛けてあるけれど、電波時計ではないから 全て少しずつバラバラの時間を差している。
一番正しい時間は、その場に居る一番偉い人が決めるという 暗黙のルールがあった。だから私達は時計を見ずに、そこに居る一番偉い人が動くのと同時に動いた。
渡り廊下の横の部屋は、物置きになっていて 下の排水溝から無数のダンゴムシやムカデが上がってくるので、私はまたにそこに熱湯を注いだ。(続)
確率を疑う 第一番
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0から9までの数字のルーレットを100個回し、9が出る個数をカウントする。ルーレットに9が出る確率は10%で、10個出る可能性が最も高い。
災害への備え
http://masarukaido.com/newmethod/b064_j.html
私の住む日本では、地震、台風、大雨、大雪などによる自然災害が毎年発生している。幸いにも私は避難を要する災害には遭遇したことはないが、日本に住む限り自然災害には備えた方が良いだろう。そこで私は一次避難用の防災非常袋に詰める物品をリストアップし、自宅のトイレの壁に貼り災害に備えることとした。
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内田さんが運営に携わるgallery TOWEDでは、こけら落としとなる河合浩・はやしはなこ2人展『ちょうはあかぐり』が10月7日まで開催されています。11月には平間貴大の個展が開催予定です。是非ご来場ください。 https://gallery-towed.com/invalid (新・方法)
平間貴大 @qwertyu1357
馬場省吾 @shogobaba
皆藤将 @kaido1900
機関誌「新・方法」第64号 日本語版
2018年10月4日発行