722枚の木製タイルの配置方法 Method of Positioning 722 Wooden Panels
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2008年 空間作品 722枚の木製タイル 2008, Installation, 772 wooden panels
東京芸術大学千住校地の中庭(以下、中庭)には、一辺が約70cmの正方形の移動可能な木製タイル(以下、タイル)が722枚敷き詰められている。其の木製タイルは縦と横が存在し、元々はその縦と横が市松模様に敷き詰められていた。
横を0、縦を1とし、それを二進法とした場合の市松模様の繰り返しとは「01」の「否定(NOT)」である。「否定」とは簡単に言えば論理回路であり、つまり演算方法である。0が入力された場合1が出力され、1が入力された場合0が出力される。例えば010101の否定は101010である。
中庭の市松模様を、市松模様ではなく初期値を設定して否定を繰り返した場合の論理的配置とみなすことによって、中庭のタイル配置はコンピューターによってシミュレートすることができる。シミュレーション図はprocessingによる自動出力であり、0=横=黒、1=縦=白という見方である。初期値は左上が010101、左下は下から上に見て010101、右上が01010101と101010101010であり、それぞれ次の行を、前の行の否定で出力する。
しかしここで、その論理演算子を「否定」ではなく、別の演算子を使用してコンピューターで出力することが出来ることに気がつく。具体的には「論理積(AND)」「論理和(OR)」「否定論理積(NAND)」「否定論理和(NOR)」「排他的論理和(XOR)」という固有名が付けられた5種類の演算子を使用する。そのほかの演算子も作ることが出来るが、出力結果が同様になるため、出力結果は「否定」を含め6種類となる。
つまり、中庭のタイルはその6種類が必然的な配置となるため、それらの配置を全て行った。
2008年12月20日(作品展示)、2009年2月25日(文章作成) December 20, 2008