なぜ芸術ではないのか Why Is It Not Art

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2010年 テキスト、動画 2010, texts, movies

「自作声楽曲を歌うことはなぜ芸術ではないのか」 "Why is it not art to sing an own composition vocal music?"
http://www.youtube.com/watch?v=ZM5o5bsBPo4

「缶コーヒーの缶を投げることはなぜ芸術ではないのか」 "Why is it not art to throw a canned coffee?"
http://www.youtube.com/watch?v=FrcULx2ZKSo

「歯を磨くことはなぜ芸術ではないのか」 "Why is it not art to brush my teeth?"
http://www.youtube.com/watch?v=i1qNDcwJlLE

「ビニール傘を差すことはなぜ芸術ではないのか」 "Why is it not art to put up an vinyl umbrella?"
http://www.youtube.com/watch?v=KEWWO212JbE

「時報を聞くことはなぜ芸術ではないのか」 "Why is it not art to listning the time signal?"
http://www.youtube.com/watch?v=__aHcOWJp-Q

「三角コーンを逆さに立てることはなぜ芸術ではないのか」 "Why is it not art to stand a corn upside down"
http://www.youtube.com/watch?v=kwaR2xJSbMU

「逆さに立てた三角コーンに缶コーヒーの缶を入れることはなぜ芸術ではないのか」 "Why is it not art to put a canned coffee in a corn standing upside down?"
http://www.youtube.com/watch?v=E7ESU3Hk3-g

「立て看板を倒すことはなぜ芸術ではないのか」 "Why is it not art to lay an advertising sign?"
http://www.youtube.com/watch?v=C3nSP7o02YM

「脚立に登って降りることはなぜ芸術ではないのか」 "Why is it not art to climb and step down a horse?"
http://www.youtube.com/watch?v=0a_lXkXaHQA

「椅子に座ることはなぜ芸術ではないのか」 "Why is it not art to sit on a chair?"
http://www.youtube.com/watch?v=qf8PaaJ8tLY

「椅子に釘を打ち込むことはなぜ芸術ではないのか」 "Why is it not art to drive nails in a chair?"
http://www.youtube.com/watch?v=OWZ2A1yZ7kM

「2008年9月6日土曜日20時11分のメモを壁に貼り付けた紙に書くことはなぜ芸術ではないのか」 "Why is it not art to write a memorandum on a paper on Saturday, September 6, 2008, 20:11?"
http://www.youtube.com/watch?v=-KQdAvN6xrA

「床に水を撒くことはなぜ芸術ではないのか」 "Why is it not art to water the floor?"
http://www.youtube.com/watch?v=h9zZY7v_DDE

「床に撒いた水の上を歩くことはなぜ芸術ではないのか」 "Why is it not art to walk on watered floor?"
http://www.youtube.com/watch?v=0UeMUZir_bA

「照明を変えることはなぜ芸術ではないのか」 "Why is it not art to change the lighting?"
http://www.youtube.com/watch?v=oSXzmHDwvdM

「無言で歩くことはなぜ芸術ではないのか」 "Why is it not art to walk without words?"
http://www.youtube.com/watch?v=9dnUb9xA1-0

「測量することはなぜ芸術ではないのか」 "Why is it not art to measure?"
http://www.youtube.com/watch?v=zfVl-auZ6Y8

「紙を破ることはなぜ芸術ではないのか」 "Why is it not art to tear up a paper?"
http://www.youtube.com/watch?v=yJz6yQKAT0Y


一週間の展示期間中、私はずっとこのギャラリーにいなければいけない。

私は今、個展を開催中であるが、この個展は自分が「これが芸術である」として出品している作品のみがある。私は制作意図が明確な言葉によって説明できるもの以外は、作品として制作しない。そうでなければ、単純に、自らが納得できないからである。次に、人に理解され得ないからである。

「芸術とはなにか」という疑問は、芸術の定義化に向いている。芸術の明確な定義化に強く関連することとして、芸術における規範と形式がある。かつて、規範や形式が明瞭であった時代があったが、現代はそれをあえて拒否する形のものも少なくない。形式を保ちつつ規範を侵犯する芸術、つまり規範それ自体が「反芸術」である芸術すら、20世紀前半から存在する。規範と形式の定言化が、芸術の定義に等しい。それらが造語という形で新たに作り出されることも多々ある。20世紀以降に多くある「~主義」や「~芸術」は、規範と形式を新たに作り出し、今までのそれとの峻別を図るためである。

ギャラリーそれ自体も、ある規範に則った形式である。しかし、ギャラリーという形式とそれを支える規範のみでは芸術は成り立つことはない。ギャラリーに存在しているゴミが、「芸術である」と言うすべは、誰かによって決定づけられなければならない。

今このギャラリーで出品している私の芸術作品には、過去より継承されて現代によって再考された規範と、その規範から演繹される再考された形式があるとしている。だからこそ、「私の芸術」ではなく、「芸術」であると自負している。それ以外は、「芸術」でも、「私の芸術」でもないし、そこには観客も存在しない。つまり、ほかの誰かの規範や形式によって「誰かの芸術」が生まれる余地はない。過去の規範を継承しない無規範であることと、私の生み出したものが私によって芸術ではないと否定されることで、それは芸術である余地を完全に失う。

インターネットに動画をアップロードすることで、ギャラリーという形式を保持しているのみで、私自身によって失われた「芸術性」を、観客によって取り戻すことが出来るのか。その試みが、「なぜ芸術ではないのか」という一連のシリーズだ。これらが作品になるかどうかの保障はないが、このシリーズはコンセプチュアル・アートになり得るとしている。

2010年3月26日 March 26, 2010

※2011年4月8日(金)に、高円寺「円盤」で開催されたイベント「第二金曜日」(平間貴大、中ザワヒデキ主催)にて、作家自身トークを交えながら、プロジェクターの投影による全動画Youtube再生の上映会を行いました。 * On April 8, 2011(Fri), all above YouTube movies screening event was held with artist's talk on "Dai2Kin" (host: Takahiro Hirama, and Hideki Nakazawa) at "Enban" in Koenji, Tokyo.

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