寄稿と作品からなるEメール機関誌「新・方法」第24号をお届けします。今号は、美学校に所属していたこともある新藤雄介さんにご寄稿いただきました。
本稿では、旧・方法と新・方法の機関誌を比較することによって、そこから見える両者の特徴を浮かび上がらせ、それに対する1つの理解の仕方を考えたいと思います。
まず始めに、方法主義の基本的な立場を確認しておきます。方法主義とは、「論理」を作品制作における第一原理として据えた立場だということができます。この方法主義は、「方法」と「主義」の分割が可能であり、「論理」は主義よりも方法と親和性が高いということが重要です。ある意味最も重要な作品とも理解可能な機関誌からは、方法と主義に対する位置づけの違いが、旧・方法と新・方法を分ける分断線として見えてくるのです。そして、その両者の特徴が最も鮮やかに浮かび上がるのが、『方法』の11号・21号と『新・方法』の7号です。そこで焦点となるのは、現実社会という「偶然と即興」からの介入に対して、方法主義がどのように対処しているのかということです。
『方法』11号では航空機のビルとの衝突、また21号では弾薬使用の地域的解禁があり、機関誌はこれを対象に取り上げます。注目すべきなのは、この2つの号では、方法を原理として対象を取り扱うのではなく、逆に対象に対して方法をすり寄せていることです。つまり、主義は現実社会への対応に迫られ、偶然と即興によって出現した対象に引きずられ、論理の原則にかすかな亀裂が生じている訳です。その亀裂が生じた論理に沿って、方法が適用されてしまっているのです。すなわち、主義は偶然と即興に飲み込まれることで、方法は「方法主義」の論理からはみ出して適用されているのです。
これに対して、『新・方法』7号では…
(注)長文のため続きはwebに掲載しております。次のURLよりご覧ください。
http://7x7whitebell.net/new-method/shindo_j.html
量と境界 第八番
http://7x7whitebell.net/new-method/shogobaba/024_j.html
「量と境界」シリーズでは、量と境界が、第一番から第四番が視覚面で示され、第五番から第八番までが意味のみで示されている。今作は『昇順へのソート 第八番「クイックソート」』の、量と境界を示している。
普通の写真
http://masarukaido.com/newmethod/b024_j.html
今作は前作と違い変形を施していない普通の写真である。写真に写っているのはイギリス南部にある先史時代の遺跡ストーンヘンジである。
- 「新・方法」はウェブサイトを更新しました。 http://7x7whitebell.net/new-method/
- 平間貴大はウェブサイトを更新しました。 http://hrmtkhr.web.fc2.com/
- 馬場省吾はウェブサイトを更新しました。 http://7x7whitebell.net/
- 皆藤将はウェブサイトを更新しました。 http://masarukaido.com/
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今回の寄稿文では機関誌をもとに「方法」が考察されています。過去の機関誌と併せて読むことをお勧めします。では、次号もお楽しみに。 (M)
平間貴大 @qwertyu1357
馬場省吾 @shogobaba
皆藤将 @kaido1900
機関誌「新・方法」第24号 日本語版
2012年11月4日発行