「新・方法」第57号

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「新・方法」第57号

寄稿と作品からなるEメール機関誌「新・方法」第57号をお届けします。今号の寄稿者は、美学・聴覚文化論を研究されている金子智太郎さんです。

[寄稿]

耳たちの記
金子智太郎(美学研究者)

最近はヨシダヨシエによる「音会(おんえ)」のルポに心奪われています。音会は松澤宥らによって71年に下諏訪山中で二日間にわたり開催された「コンサート」です。「コンサートといっても、既成の楽器をいっさい使わないことを前提にしている。手製の楽器はもちろん、呼吸音などを含む肉体の音、自然の音(風の音、樹の葉のさやぎ、小川のせせらぎ)それに光や香りなどを含めて感官から観念に至る肉体の地形のなかで、音あるいは音楽を想像させるすべてのものが含まれる。既成の楽器にはないエコロジーなイヴェントのなかで、ひびきやリズムを発見していく、たのしい遊戯である」。この説明だけではぴんときませんが、たとえばこんなことをしていたそうです。「深夜から未明にかけて、古沢宅は、自分の肉体を鉛板のなかに密閉し、わずかに細いチューブから洩れる呼吸音を参加者に贈った。しかし山中の冷込みもひどく、はげしい痙攣を惹起して中止しなければならなかった」。密閉中の写真が残っています。音会の開催日は7月10日、11日でした。ちょうど今日からです。

ヨシダは音会を「自然と呼応するなかで抽きだされたエコロジカルな対応」と捉えていたようです。彼の想像はここから、人間の可聴範囲を超えた自然の音へと向います。「それはすぐれた音楽家たちが、みずからの内側から、尋ね探している音の層だ。可聴周波を超える音だ。多分、蟻の会話をさえ、太古のヒトは聞いていたにちがいない」。ヨシダがこの話を議論した場にはジャズ評論家の副島輝人もいました。こんな発想が当時どうやって生まれたのか気になっています。

[新・方法主義者のウェブ作品]

- 平間貴大

作品なし

http://hrmtkhr.web.fc2.com/new-method/057_j.html

私は機関誌「新・方法」第57号で作品を発表しない。

- 馬場省吾

意味と表示 第六番

http://7x7whitebell.net/new-method/shogobaba/057_j.html

ウェブで使用されるHTMLは、文/単語/文字に対して、表示されている記号とは独立した意味を与える。この作品は、HTMLによって意味を与え、意味の錯乱を起こさせる。今作では、機関誌「新・方法」第57号のウェブページの意味を変える。
機関誌「新・方法」第57号ウェブページ
http://7x7whitebell.net/new-method/bulletin/b057_j.html

- 皆藤将

盗作する:「突然現れる」

http://masarukaido.com/newmethod/b057_j.html

平間貴大の作品を盗作して自分の作品として発表する。

[お知らせ]

- 「新・方法」は、「大霊廟II」(2017年9月2日、BankART studio NYK、神奈川)に出演します。 http://zombie.poino.net/themausoleum2.html

- 「新・方法」はウェブサイトを更新しました。 http://7x7whitebell.net/new-method/

- 平間貴大はウェブサイトを更新しました。 http://qwertyupoiu.archive661.com/

- 馬場省吾はウェブサイトを更新しました。 http://7x7whitebell.net/

- 皆藤将はウェブサイトを更新しました。 http://masarukaido.com/

- このEメール機関誌の配信をご希望のかたは新・方法主義者にご連絡ください。

- このEメール機関誌は転送自由ですが、著作権は放棄されていません。

- このEメール機関誌が迷惑メールに分類されてしまうことがあります。お気を付けください。

[編集後記]

最近は機関誌の配信以外全く作品を発表していない新・方法です。9月2日の「新・方法 plays 大ゾンビ音楽」は、前回出演した「新・方法 talks about 新・方法」以来1年半ぶりの出演となります。http://zombie.poino.net/themausoleum2.html(新・方法)

発行人

平間貴大 @qwertyu1357

馬場省吾 @shogobaba

皆藤将 @kaido1900

機関誌「新・方法」第57号 日本語版

2017年8月4日発行

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